会長挨拶
(九州大学病院)
この度、九州麻酔科学会第57 回大会を担当させていただきます。
平成生まれの麻酔科医の登場に衝撃を受けたのも束の間、年号も平成から令和に改まり、新しい時代の幕開けとなる記念すべき年の学術集会です。私自身も昭和生まれの平成卒業、まだまだ若手と思っていましたが、いよいよ昭和は遠きになりにけりです。振り返ってみると、昭和に近代麻酔科学が日本に普及し麻酔科が外科から独立、平成には麻酔科医の社会的認知度も上がり、誰もが知っている診療科へと成長しました。そして昨今では診療科別医師増加率で麻酔科がトップとなり、これからの新時代に向け臨床だけでなく、研究面でも更なる社会的飛躍を遂げる必要があります。第57回大会では、「新しい時代に向けて」というテーマの基に、これまでの麻酔科学の歴史を振り返ると共に、新しい時代に向けたメッセージを込められたらと思います。
新しい時代は、既に突入している「人類がこれまで経験したことのない超高齢社会」において、医療福祉をどのように提供するか、その中で私たち麻酔科医がどのような役割を担い、そして先導していくかが重要となります。また、医療現場をも巻き込む労働人口の減少の中で、これまでとは違った形でのartificial intelligence(AI)を含めた様々な医療技術が登場してくることでしょう。新しい時代がどのような時代になるのか、またどのような時代にしていくのかが問われる時です。
プログラムは例年と同様に特別講演、一般演題の他、専門医共通講習、周術期セミナーを予定しています。利便性の良い福岡市での開催ですので、特に専門医共通講習、周術期セミナーには多くの参加者が訪れて下さる事と思います。単に資格取得の為の講習とするのではなく、参加する方々にとって有意義な講習となるよう工夫を凝らしたいと思います。
皆様どうぞ奮ってご参加頂き、一緒に未来を語り合いましょう。