会長挨拶
(千葉大学大学院医学研究院 麻酔科学 教授)
COVID-19 感染拡大の影響により、第67回学術集会はWEB開催とはなりましたが、現時点では、60回を迎える関東甲信越・東京支部合同学術集会を、10月24日(土)に千葉市幕張メッセ、国際会議場で開催させていただく予定です。学会のテーマは、『もっと手術室外へ』としました。今までたくさんの麻酔科医に出会いました。誰一人として同じではありませんでした。興味の対象、より深く追求する分野、こだわり、もちろん麻酔管理の方法、それらの違いに驚き、違いをありがたく感じてきました。麻酔科学会は、多様多彩な才能にあふれる素晴らしい仲間の集まりです。この麻酔科医は、手術室では手術治療の安全と質を確保するため日々活躍しています。麻酔科医の能力は、集中治療、救急医療、ペインクリニック、緩和ケアなど手術室外の様々な領域に拡大し、それぞれの分野は麻酔科医も関与しながら現在も発展を続けています。最近、麻酔科医の手術室外での能力発揮がさらに強く求められていると感じています。医療の安全と質向上、多職種連携による効果的な周術期管理、患者情報の集約・共有化とデータ活用、手術室外の侵襲的検査・治療の安全性・快適性確保、臨床マインドを持った基礎医学研究などなど、手術室外での活躍が期待されています。手術室内で活躍する麻酔科医が不足している現在、『もっと手術室外へ』というテーマは的外れかもしれませんが、手術室で麻酔科医としての能力を身につけ、手術室外でも活躍する麻酔科医が増えれば、麻酔科学領域はさらに幅広く、若い研修医たちにも魅力ある領域になるでしょう。本学会では、『麻酔科医は手術室外でどのような活躍ができるのか?』その可能性を探ってみたいと考えております。COVID-19感染拡大を乗り越え、皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。